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陶芸ブログ 炎と土にたわむれて

陶芸本 / 古陶磁 真贋鑑定と鑑賞 |出川 直樹

投稿日時:2009/11/25(水) 19:57

古陶磁 真贋鑑定と鑑賞





































古陶磁 真贋鑑定と鑑賞
出川 直樹
講談社 刊
発売日 2005-02-11
オススメ度:★★★★




再焼成実験等 2005-03-07
これまでの著作と重なる部分もありましたが、特徴的だったのは、陶片等を材料として、人工風化、二度窯など半真半贋ものがどのようにして作られ、その結果真作とはどのような食い違いが出てくるのかということを実際に実験することで検証をこころみている部分です。
せっかくの真作の陶片を焼きなおしてオリジナルの状態を破壊してしまうなんてもったいないと思うのですが、絵が描かれていたり、釉調がきれいだったりする方が市場では高値を呼ぶため、そういったホンモノを使った贋作作りがしばしば行われているようです。この部分を読んで、これまでインターネットなどで商品写真を見ながら、なにか違和感を持っていた数々の陶片についての疑問がけっこう明らかになった気がします。
衝撃的だったのが、出川直樹氏の以前の著作『やきもの蒐集入門』の裏表紙に、著者のコレクションとして出ていた絵唐津の陶片が、実は無地唐津の陶片に後絵付けをして再焼成したものだと判明してしまったことです。
私は以前その写真を見て、めずらしくてなかなか素敵なデザインの絵唐津だな、と思っていたので、これは私にとっても少しショックでした。


出版社 / 著者からの内容紹介
独創的なアプローチと緻密な分析で「真」「贋」そして「美」の本質に果敢に迫る。
かつて類例のない目からウロコの古陶磁決定版!
[画期的な内容]
●古陶磁は新作・贋作とここが違う
古陶磁を「当時の新作」と見るだけでは、その後の何百何千年を無視することになる。古陶磁だけが持つ「経年変化」や「古色」を初めて科学的に追及。
●こんなものまでが贋物だったのか?
真作・贋作に各々共通する特徴を抽出し、広く応用できる古陶磁鑑定の決め手の数々を提示。
●焼成実験による「後絵」「半真半贋」ものなどの再現
実験によって「二度窯もの」「後絵もの」「人工風化」などを実際に再現し、その見分け方を具体的に示す。
●古陶磁のゆたかな精神世界へのガイダンス
感性を研ぎ澄まし「鑑定力」「鑑賞力」を高め、「時間の果実」古陶磁を自在に楽しむ境地に導く構成。
●充実した写真、イラスト。巻末には豊富な資料
日本、中国、朝鮮半島、東南アジア各国の写真図版500点余、イラスト100点余。巻末には「古陶磁用語集」「銘款・印集」「主要古窯趾地図」「壷形の変遷図表」「古陶磁関連年表」など。

内容(「BOOK」データベースより)
鑑定編では古陶磁鑑定そのものの要件とさまざまな方法、発掘品と伝世品に分けての各々の経年変化、贋作に共通する特徴などを人工風化や再焼成実験などを重ねて実証。蒐集編はあまり深く立ち入ることを避け、軽いアドバイス程度にとどめた。鑑賞編では各国各時代の古陶磁の多様な価値と美しさを見出し、そのなかで私たち日本人のやきものへの独自の優れた感性の表れである「映り」「親水性」などを抽出した。また従来の心情に溺れた感傷ではなく、事実に即した客観的な場としての鑑賞を探った。

内容(「MARC」データベースより)
古陶磁が持つ経年変化や古色を初めて科学的に分析。真作、贋作に各々共通する特徴を抽出、鑑定の決め手を提示する鑑定書。独創的なアプローチと緻密な分析で「真」「贋」そして「美」の本質に果敢に迫る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
出川 直樹
横浜生れ。1964年早稲田大学卒。工芸研究家、古陶磁学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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