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出雲大社「平成の大遷宮」、復元された本殿公開

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大国主大神を祭る島根県の出雲大社では、老朽化した建物を改修する「御修造」が進められている。2008年4月より始まった約60年ぶりの御修造「平成の大遷宮」。現在の本殿は1744年(延享元年)の造営以来、1809年(文化6年)、1881年(明治14年)、1953年(昭和28年)と3度の御修造が行われてきた。このほど本殿の改修工事が終わり、復元されたその美しい姿が3月8日、報道関係者に公開された。
 平成の大遷宮は、主祭神である大国主大神が仮の住まい「御仮殿」へ移る「仮殿遷座祭」から始まった。2009年6月には、高さ24メートルの本殿を覆う工事用の屋根が完成。同年9月から本格的な作業が開始された。今回、国宝の本殿は建て替えを行わず、大屋根のふき替え、傷んだ部材の修理が実施された。
 約180坪ある檜皮葺(ひわだぶき)の屋根は、64万枚を超える檜皮を使用。固定には竹釘が用いられた。軒先の厚みは約1メートル。美しい反りが、ひときわ目を引く。棟飾りの千木、勝男木などの銅板には、明治の御修造時に施されていた塗装「ちゃん塗り」を活用。深みのある落ち着いた色が復元されている。
 この日、一般参拝者は正月5カ日しか入れない八足門、その先にある一般公開していない楼門(撮影不可)の中に入ることが許された。日光を受け、鮮やかに輝く本殿が目前に-。主祭神が不在のため実現した、希少な体験だ。
 大国主大神が本殿にもどる「本殿遷座祭」は5月10日に開催される。

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